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約束をキャンセルするときは、なぜ理由を言うほうが良いのか?

[2025.06.29]

相手がよくない行動をした時、それを相手の悪い性格や悪意のせいと思ってしまいがち

 皆さんは誰かのことを、「性格が悪い」とか、「嫌なことをする意地悪な人間だ」と思ったことはないでしょうか。朝に「おはようございます」と挨拶したのに、相手が何も返さずに通り過ぎて行った時、「私のことを嫌っているのだろうか」「あの人は気分屋だなあ」「失礼な人だ」等とと思ってしまいます。

 でも実際は、たまたまその人が考え事をしていたりとか、イヤホンで音楽を聴いていたりすることもあります。そのように相手が挨拶を返せなかった状況を考えるよりも、まず私たちは、相手の性格や挨拶しなかった悪意があるという方に、原因をよく求めてしまいます。

 また、職場だったら、後輩が遅刻したときは、電車が遅れたとか道がぬかるんでいたとかいう状況を、調べたり考えたりしないことも多いです。むしろ部下のことを「なまけやすい性格だ」とか「だらしない」とか、部下の性格や姿勢がなっていない等と思ってしまいます。

しかし実際は、たまたま置かれた状況のために相手がそう行動していることが多い

 そのように、自分にとって不都合なように相手が行動した場合、状況をよく考えずに、それを相手の性格や姿勢のせいと思ってしまうのは、非常によくあることです。8割方そうであるということが、研究でも示されています。たまたまその時の状況や環境が原因で、相手がそのように行動しているのです。つまり私たちは、相手を非常に誤解しやすいのです。しかも、相手の性格や姿勢を悪いように誤解してしまいます。

 このような罠に引っかからないように、私たちは相手が不審な行動をとったと思ったら、まず相手とコミュニケーションを取って、理由を尋ねてみることです。そうすれば相手が状況を説明してくれ、相手への疑いは晴れるでしょう。

相手から誤解されないため、約束をキャンセルする時は具体的理由を伝えたほうがいい

 外来をしていると、患者さんからは時々キャンセルの電話がかかってきます。予約当日の時間ギリギリにキャンセルの電話がかかってくると、昔は「きっと寝坊したのだろう」と、ついつい思ってしまっていました。ダメですね。後でよく聞くと、朝に熱が出たらしく、発熱外来に行ったらコロナだと言われたということでした。そのように相手の状況を考えずに、相手の性格と姿勢のせいにしてしまうと言うのは、私も昔はよく引っかかっていました。「まずは相手からきちんと話を聞く」ということがいかに大事かという教訓を、繰り返し痛感し、そのたびに反省していました。

 だから私は、自分が約束をドタキャンしなければならない場合、必ず理由を伝えなければならないと思っています。「ちょっと急用で」という言葉だけではなく、具体的に言うようにしています。それは自分の性格が悪かったり、悪意があるかのように相手に誤解されないためです。

相手の行動を不審に思ったら、相手を悪く誤解しないように理由を聞きましょう 

 相手の行動を不審に思ったら、とにかくそれを相手の性格や意図のせいにせず、相手にちゃんと理由を聞いてみることです。そうすれば相手の行動の意味をよりきちんと理解でき、おおかた、それが相手がたまたま置かれた状況や環境のせいであるということが分かるでしょう。状況を知るように努めたいものです。

 同時に相手からも自分の行動が誤解されやすいと考えて、しっかりコミュニケーションをとることが重要です。「言わなくてもわかってくれるだろう」では、誤解されっぱなしになる可能性があります。

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